裁判官の書架
¥ 2,750 税込
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前東京高裁裁判長の読書術 しかつめらしいイメージのつきまとう裁判官が、ふだんは法律書以外にどんな本を読んでいるのだろうか。前東京高裁の裁判長が、そうした読者の好奇心に応えたのが本書で、約40年にわたる日々の中で、印象に残った20冊の本を紹介していく。採り上げられているのは、坂口謹一郎『君知るや名酒泡盛』、司馬遼太郎『愛蘭土紀行』、萩原延壽『遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄』、足立巻一『やちまた』、須賀敦子『コルシア書店の仲間たち』など多種多様。いずれも任地での日々と関連が深く、いうなれば書評を通じての自伝風読み物としての趣もある。どれも深い読み込みを基に、裁判官としての日常と対比させながら、作者に敬意を払い、テーマを掘り下げていく態度に共鳴される。なかでも、法律の専門家ならではの指摘にはっとさせられることも多い。ジョン・モーティマー『壊れた舟にすがりついて』では英国の法廷弁護士の役割など、日本と異なる裁判制度を具体的に説明したり、カズオ・イシグロ『日の名残り』で、英国の民事裁判制度に言及しながら、戦争に対する貴族社会の反応を述べるあたりは、よくある書評とは異なる新しい発見があって、読書の楽しみをより深化させてくれる。
(出版社情報)