翻訳唱歌と国民形成
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「翻訳唱歌」とは「仰げば尊し」や「蛍の光」などに代表される、西洋の楽曲を日本語に翻訳して学校教育に用いられた歌曲のことである。重要なこととして、翻訳唱歌の歌詞は原曲の歌詞内容を改変したものが多く、必ずしも正確な訳出ではない。しかしたとえば賛美歌歌詞におけるGod という単語が「天皇」に変えられ、大まかな歌詞のストーリーはそのままに「天皇」を讃える歌詞に改変されるなど、原曲歌詞が当時の日本の文脈に合わせて翻案された翻訳唱歌の歌詞も多い。このような翻訳唱歌の歌詞と原曲歌詞との比較分析を中心として、明治期の唱歌教育における「西洋文化の受容と改変」を分析することにより、その差異から明治政府が国民形成を行う上で必要としていた教育要素が導き出され、さらには明治期を通じた唱歌教育の発展を論じることができる。
(出版社情報)