日本の医療を切りひらく医事法
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医療基本法のグランドデザインを提示する医事法は、医療を社会の「公共財」と位置づけ、この公共財の維持・確保を国などに義務づける。これが医事法の本来の役割である。医事法に無関係の人はありえず、法における最重要の分野の一つといってもよい。しかしながら、現状は国策に奉仕するための医療を下支えするための医事法と言っても過言ではなく、医事法の本来の役割をまっとうしているといえるものではない。医療の当事者である、患者と医療従事者の権利擁護もままならない状況である。
本書は、我が国のこれまでの著名な医療過誤事件を扱いながら、医療被害の歴史や経緯を説明し、現状の医事法の問題点を炙り出し、私たち、一人ひとりが、「医療改革」の客体ではなく、主体になることを志向するための医事法の新たな枠組みを提示する。
(出版社情報)