金融・商事判例 No.1640 2022年5月1日号
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[重要判例紹介]
◉監査の範囲を会計に関するものに限定されている監査役は、計算書類およびその附属明細書の監査を行うにあたり、当該計算書類等に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認しさえすれば、その任務を尽くしたといえるか
(最二判令和3・7・19)
○破産手続中に再生手続が開始された場合において、破産管財人が破産債権査定の異議の撤回をした後に、再生管財人が再生手続において債権者が当該債権を有しない旨の主張をすることが、矛盾挙動禁止の原則に反して信義則上許されないとはいえないとされた事例
(東京地判令和3・12・23)
○1 公正取引委員会との間で交わした目的外使用をしない旨の誓約書に反して提出された証拠について、違法収集証拠として証拠能力を否定すべきとした主張が認められなかった事例
2 事業の譲渡契約に関する交渉場面において、被告会社が行っていたカルテルに関与していた事業者らの会合に、被告会社の従業員が出席していた事実を告知すべき信義則上の義務があるとは認められなかった事例
(東京地判令和3・10・27)
○1 高齢者が、いわゆる民事信託の利用を考えて司法書士との間で締結した同信託の利用に必要な事務処理を目的とした委任契約を前提に、同司法書士に対し、債務不履行に基づく損害賠償を求めた請求に理由がないとされた事例
2 高齢者が、いわゆる民事信託の利用を考えて司法書士との間で締結した同信託の利用に必要な事務処理を目的とした委任契約を背景に、同司法書士に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めた請求に一部理由があるとされた事例
(東京地判令和3・9・17)