「ヤングケアラー」とは誰か
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"小学生の15人に1人が「家族の世話」を担い、社会問題として顕在化してきたヤングケアラー。メディアでは身体的な疾患や障害をもつ家族の介護をする子どもがクローズアップされることが多いが、実際には、精神疾患の母親をケアするケースも多い。介護や家事労働だけが「ケア」ではないのだ。長期脳死の兄の「身代わり」として親の前で頑張って見せる子、母親の薬物依存を周りに言えない子、ろう者の母親の手話通訳をするうちに「私」が消えていく子、母親を責めるようだからと自身をヤングケアラーだと認めたがらない子――。
本書では、家族をケアする子どもたちが体験する孤立を「語り」から考える。彼ら彼女らの言葉に丁寧に耳を傾け、ディテールにこだわって分析を重ねていく。すると、これまでほとんど知られることのなかった、ヤングケアラーたちの複雑かつあいまいな体験や想い、問題の本質が浮かび上がってくる。また、そこから、どのような「居場所」や支援を必要としているのかも見えてくる。
(出版社情報)