コロナ禍で問われる社会政策と自治体
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本書は、2022年9月17日に行われた地方自治総合研究所主催「自治総研セミナー」の記録です。2020年以降新型コロナウイルスの感染拡大は全世界の社会経済に深刻な影響を与えています。国内においても、経済の低迷による生活困窮、医療現場の逼迫、人との接触を制限されたことによる孤立や不安、それら様々な影響が多方面にわたっています。 このうち、コロナ禍による経済活動の影響には1つの特徴があります。それは、企業業績の悪化が宿泊、飲食、生活関連サービス、娯楽など、特定の非製造業の業種に集中していることです。この点では、しばしば比較される2008年のリーマンショックの影響が製造業に集中したのと大きく異なっています。 これらの非製造業の担い手は、非正規労働者やフリーランスなどの割合が高く、女性や学生などが多く含まれています。この2年間のメディア報道を見ると、様々な事情を抱える女性の貧困の家族、学費を払えずに学ぶ権利を奪われる若者など、多くの記事を目にしました。こうした人々は公的支援が薄く、働き続けることで何とか生活していた人たちであり、コロナ禍による雇い止めや一時休業、時短勤務などにより収入を減らし、蓄えもなく、直ちに生活困窮に陥るリスクを抱える人たちです。 こうした経済的に弱い立場に立つ人々は住宅弱者でもあります。弥縫策ではない社会政策としての住まいの支援策の可能性や課題について、報告や議論を通じて追求してみたい。(趣旨説明・要旨)
(出版社情報)