複合契約の法理
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社会の高度化に対応して、取引が複雑化し、また契約主体が専門化している現在、ある一つの取引を行うために複数の契約が締結されるケースは珍しくない。あるいは、単一の契約であるとしても、複数の契約の要素を併せ持った複雑な合意がなされることも頻繁に見られる。しかし、民法典が想定するのは1対1の単一の契約であり、また、民法典に規定されているのは基本的な13種類の典型契約である。そうしたことから、現代の社会にあっては、これらの契約事象にどのように法的に対応するかが問われている。本書は、以上のような複合契約および混合契約が提起する法的問題への考察を行い、これを通じて、契約事象に関わる契約法理の現代化を試みる。
[目次]
序 複合契約の法的構造
第一部 複合契約論の考察
第一章 複合契約中の契約の消滅の判断枠組みと法的根拠
第二章 フランスの債務法改正に見る複合契約の規律
第三章 複合契約論のこれまでと今後
第二部 複合契約と公序良俗
第一章 無効の判断枠組みの考察
第二章 裁判例の検討
第三部 第三者与信型消費者信用取引の規律
第一章 割賦販売法の規律の現状と課題
第二章 判例の現状と課題
(出版社情報)