銀行監督のダイナミクス
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世界経済を支える金融システムにおいて、金融機関、とりわけ銀行経営の健全化はその安定のために重要な点を占めている。特にヨーロッパにおいては銀行監督の一元化など、国際的な銀行監督について先駆的な取り組みが数多くなされてきた。世界金融危機、COVID危機、そしてロシアによるウクライナ侵攻といった複数の世界全体に影響を与える危機を経験したヨーロッパの銀行監督について、ヨーロッパとグローバルな規制機関という複数のレベルを結びつけてその仕組みとダイナミクスを体系的に著した初の書籍。
[目次]
●はじめに 問題の所在と分析視角
●第I部 銀行監督の必要性と意義:ヨーロッパのパースペクティブ
第1章 銀行監督総論:銀行監督はなぜ金融システム安定化のために必要なのか
第2章 金融システムの安定化と銀行監督・規制の方法論:
英国・EU・グローバルという 3 つの観点から
●第II部 欧州銀行同盟(EBU):経済通貨同盟(EMU)の更なる深化と新たな政策課題
第3章 バンキング・ユニオンという視点:欧州銀行同盟(EBU)の提案と意義
第4章 EBU と新時代のEMU:EBU の政策的展開と実態
●第III部 域内経済活性化の視点:新領域に立つヨーロッパ
第5章 欧州資本市場同盟(CMU)による域内市場統合の深化:
パンデミック下における「安定」から「成長」への転換
第6章 欧州復興基金(RRF)とグリーンディールへの挑戦
●第IV部 グローバルレベルの制度分析:銀行監督と関係する国際・EU機関の視点から
第7章 金融安定理事会(FSB)の活路:グローバル金融規制と監督の調和への挑戦
第8章 欧州銀行機構(EBA)と EU のプルーデンス政策:銀行規制一本化の先駆的実践
第9章 バーゼル銀行監督委員会(BCBS):国際銀行監督における政策協調の要
●総括 今後の課題と展望
(出版社情報)