世界の監査史
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英国,アメリカ,日本,そしてドイツにおいて誕生した監査について,誰がどのような社会的関係を背景に,誰のために,いかなる内容の監査を実施したかを,数多くの先行研究の成果と新たに入手した史料に基づいて明らかにすることを目的とした監査史研究。
監査を考える際の核となる概念として,受託責任を識別し,英国,アメリカ,日本,そしてドイツにおいて誕生した時代における監査を視野に入れ,各国において誕生した監査の原点に焦点を定めた。時代の要請を受けて各国において誕生した監査には,それぞれの歴史的経過があり,その内実は同じではない。しかし同時に,社会的な建て付けは異なるものの,社会が「監査」と称してきた営為の間には,本質的に共通した社会的機能があるはずである。本書では,それを受託責任の解除にかかる第三者機能(評価)と捉えている。
委託受託関係を考察したうえで,受託責任なる概念を取り上げ,その現代的意味内容を解明したうえで,監査との関係─とりわけ受託責任の解除機能としての監査─を明らかにする。
そして最後に著者が模索してきた「監査学」という学問領域の必要性と意義について,著者なりの学問的主張を提示する。
(出版社情報)