南原繁「戦争」経験の政治学
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戦後日本の精神的ファウンダーとしての南原繁――著作集未収録の作品を博捜しつつ、昭和初期の講義プリントとの対照、著作の異版との比較を通して、さらに当時の思想家(左右田喜一郎、蠟山政道、難波田春夫、和辻哲郎、田邊元、田中耕太郎など)との対比によって、戦前・戦中・戦後の時代と対峙する南原の学問的・思想的内実を明らかする。南原政治哲学を近代日本思想史に位置付ける力作。
[目次]
序 章 問題の所在と方法
:南原の政治思想の内在的理解に向けて
第1章 「価値並行論」および「理想主義的社会主義」
:その理論と思想史的位置
第2章 「世界秩序」構想と「立憲」主義
:「正義」概念との関連
第3章 「共同体」主義の制度構想と学問的方法
:「政治上の合理主義」論とその対極
第4章 「共同体」主義と宗教・人格・國體
:和辻哲郎の倫理学との対照
第5章 「国家と宗教」論とその射程
:ナチズム批判・「日本神学」批判から戦後「人間革命」論へ
終 章 南原における「戦争」経験の政治学