時効援用権の基礎理論
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混迷する〈時効援用権者の範囲画定基準〉問題に挑む
ある権利義務に消滅時効ないし取得時効が完成した場合に、当事者以外の第三者のうちどの範囲の者が当該時効を援用できるのか――。重要論点でありながら、曖昧な判例基準と多数の学説対立によって混迷を深めてきた〈時効援用権者の範囲画定基準〉問題。その鍵を握る「承継人」概念の原語《ayant cause》に着目して、旧民法の母法国フランスの議論を丹念に探求、もって日本法の解釈への還元を試みる本格的研究です。
[目次]
序章 時効援用権における《ayant cause》概念の役割
第1章 19世紀フランス法における《ayant cause》概念
第2章 19世紀フランス法における時効援用権の理論構成
第3章 20世紀フランス法における時効援用権の理論構成
第4章 日本法における時効援用権の理論構成とその展開
終章 《ayant cause》概念の基底にあるもの