日本通史
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新しい歴史観で歴史を捉え直す
『記紀』の史料的な価値を全否定した津田、天皇主権に関する過去の営為を葬り去った丸山、主権者天皇の存在を社会の必然とした網野。歴史学にいまなお影響を与える3人を乗り越え、この国の「主権者」のありようの模索を軸にして新しい「歴史観」で日本の歴史を捉え直す。
日本史研究者が一人で通史に挑戦するのは、網野以来30数年ぶりの快挙である。
[目次]
第一章 津田史学の超克──「記紀」の全否定を否定する
第二章 国の始まり──「記紀」から真実を読み解く
第三章 古代から中世への転轍──小国の集まりから官僚が支配する国家へ
第四章 近世へ──官僚制の機能喪失、国家の統治能力の衰退と自治の登場
第五章 近代へ──公を体現し得る一人の絶対者の創出のために
第六章 近代日本の行方──主権者天皇の抱える自己矛盾の解消へ
第七章 核と恒久平和──ポスト帝国主義時代の国家を模索して