帝政期ローマの法学者
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古代ローマ時代、法学者は法の重要な担い手だった。「法の民族」として精緻な法制度を作り上げ、近代法の形成にも多大な影響を与えた。本書では、ローマ法学が最も隆盛を迎えた帝政期において、その時代を代表する法学者の一人であるケルススに焦点をあてる。ケルススは「法は善および衡平の術である」をはじめとする法格言を残し、ローマ皇帝の顧問会メンバーとして施策を支えた。それらの法格言を多角的に分析し、ケルススと同時代の法学者であるユリアヌスの法学と比較し、帝政期ローマの法学者像を導き出す。法文を読み解くことで古代ローマ社会の実態にふれられる法制史。
[目次]
序 論
第1章 帝政前期ローマの法学者を取り巻く状況
第2章 公職者としてのケルススの活動
第3章 ケルススが残した法格言(1)――「法は善および衡平の術である」
第4章 ケルススが残した法格言(2)――アクィリウス法の解釈を中心として
第5章 ケルススの遺贈解釈――家財道具supellexの遺贈を中心に
第6章 ユリアヌスの法解釈
結 論