傷はそこにある
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さまざまな逆境を生き延び、アディクションなどの生きづらさを抱える女性たちが安全でいられる場所をつくる――そのためにはジェンダー格差をはじめとする抑圧の連鎖を見据え、ケアとはなにかを問いなおさねばならない。複数の領域を横断し、ソーシャルワークの枠組みすら越境する実践の軌跡と現在地。
[目次]
【1 交差する逆境——愛着・トラウマ・アディクション】
第1章 安全基地をつくる
第2章 逆境を生きる
第3章 傷はそこにある——意味づけられない経験と声
第4章 通過型支援が行き詰まる
第5章 ハームリダクションという実践:環境に介入する
第6章 愛着形成をどう支えるのか
【2 横断するケア:ジェンダーと居場所のポリティクス】
第7章 居場所をめぐる問い——ジェンダーについて知るところから
第8章 愛を期待はしない——ケアとジェンダーの視点から
第9章 ねじれる援助希求——ケアの両義性
第10章 抑圧の連鎖に立ち向かう——反抑圧的ソーシャルワーク
第11章 “食べる”というケア
【3 塀の中と外はつながるのか:女子刑務所プロジェクト】
第12章 再犯の意味を問い続ける
第13章 「女子依存症回復支援モデル」のスタート
第14章 私について、私が知る
第15章 自分を受け入れ、現実と向き合う
第16章 変えられるものと変えられないもの
第17章 塀の外で——センター修了生と共に“転がる”
【対談】
ケアの倫理と公共圏の問い………大嶋栄子×熊谷晋一郎