論集 明治17年11月藤岡・秩父自由党事件
¥ 1,980 税込
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事件の記録をなぞるだけでなく、現実の視点で捉えなおす
明治の民衆運動であり自由党が困民を突き動かした「秩父事件」を秩父という限定された地域の事件でないと捉える著者は多角的・広域的な視点で、当時の群馬・長野両県の関連した人々の動きを追う。
本書は多くの資料を参照しつつ困民党幹部の行動や、本陣崩壊、また、同じ日に蜂起した別の事件などに触れることで、秩父事件の広域性や意図を考察していく。
この書籍の魅力は、多数の資料に立脚しつつも、「その行動の意図は何か」を常に問い続ける姿勢にあり、それが他の書籍にない独自性を与えている。「事件後逮捕された困民党幹部たちの証言は、全く真実だったのか」という点は、現実的だが著者が始めて着目した切り口となっている。
著者の前述の書籍である『広域蜂起 秩父事件 ―群馬人が秩父を動かした・世界遺産「高山社」―』で記述しきれなかった資料と考察をまとめた一冊。
[目次]
論文1 自由民権革命家 田代栄助
論文2 目指すは岩鼻火薬製造所
論文3 困民党軍自由隊と群馬県上・下日野村
論文4 謎の電報
論文5 広域蜂起
論文6 自由党の村 坂原村法久
論文7 加波山事件と秩父事件―民権結社明巳会と世界遺産『高山社』
論文8 首魁 小柏八郎治と影の巨魁
折茂健吾―世界遺産高山社と事件に参加した高山社の人々