「主権国家」再考
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長い宗教対立と戦争の後、国家同士が互いの「主権」を尊重しあうウェスファリア体制が生まれた、といわれる。しかし、「主権」を主張した他国への侵略や人道危機が後を絶たない。なぜ「主権」国家は争い合うのか。複合・礫岩国家、帝国、国民国家が織りなす「主権」の多様性を歴史的にひもとき、近代の初発を問い直す。
[目次]
はじめに――いま「主権国家」を論じる意
序 章 主権という概念の歴史性
第Ⅰ部 複合君主政/礫岩国家――近世主権国家
第1章 君主政の狭間から見る近世的主権国家
――スコーネ住民と「正しき統治」
第2章 一七世紀ブリテン諸島における礫岩国家・主権・法の支配
第3章 ブルゴーニュ国家のかたち
――複合君主政のネーデルラント的経験
第Ⅱ部 帝国論の再定位――近世〜近代主権国家(1)
第4章 イギリス帝国とインド――主権を分有する帝国
第5章 ロシア帝国――専制・臣民・領域
第6章 近世「帝国」としての大清帝国
――マンジュ(満洲)による集塊とその構造
第Ⅲ部 国民国家の再点検――近世〜近代主権国家(2)
第7章 競合する主権と国民国家――アメリカ革命の風土
第8章 帝国の一体性と諸国民の主権
――フランチシェク・パラツキーのハプスブルク帝国国制論
第9章 オスマンからトルコへ、機能の分立から権力の集中へ
――ジェラーレッティン・アーリフ、政治家と法学者のあいだ
第10章 ネイションの外縁とジェンダー――イタリアの境界をめぐって
第Ⅳ部 翻訳される主権――近世〜近代主権国家(3)
第11章 近世イタリア諸国の「主権」を脱構築する
――神聖ローマ皇帝とジェノヴァ共和国
第12章 オスマン帝国とアフリカ分割
第13章 「藩属」から「主権」へ――中国の生成として
第V部 主権国家と政治思想
第14章 政治思想としての主権と国家――ボダン再読
第15章 近世フランスの主権と国家
――ボダンの受容のあり方をめぐって
終 章 主権・王冠・レスプブリカ
――ハンガリー・ジャコバンの「王のいる共和政」論と国民主権分有論の淵源