前近代イスラーム社会と〈同性愛〉
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イスラーム法で同性愛が禁じられてきたことは広く知られているが,前近代のアラブ文学作品には,同性同士の性愛描写もしばしば見られる。近代西洋社会の産物とされる「同性愛概念」は,イスラーム社会では,いつ,どのように芽生えていったのか。文学作品・医学史料・性愛学文献・年代記等における男性同士の性愛描写を歴史学的に分析することで,前近代の社会通念や性愛観念,ジェンダー規範を丹念に読み解く。巻末に9世紀の文人ジャーヒズによる性愛にまつわるアラビア語逸話集『ジャーリヤ(女奴隷)とグラーム(少年奴隷)の美点の書』の翻訳を収録。
[目次]
序 章
第一章 「同性愛」をめぐる歴史学的研究の展開
第二章 性愛について語る史料
第三章 9世紀イスラーム社会における性愛観念
「挿入モデル」の再検討
第四章 9-11世紀イスラーム社会の「異性装」とセクシュアリティ
第五章 同性間での性愛にまつわる医学的言説の展開
医学書と性愛学文献
第六章 前近代イスラーム社会におけるムハンナス概念の変遷
「ムハンナスのアッバーダ」にまつわる言説を通じて
終 章
史料 ジャーヒズ著『ジャーリヤとグラームの美点の書』訳注