裁判官
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【冤罪告発の書『裁判官』】
復刊したのは『裁判官 人の命は権力で奪えるものか』(光文社、1955年3月初版発行)です。冤罪として著名な「八海事件」を取り扱っており、まったくの無実であるにもかかわらず一審・二審を経て死刑を含む有罪判決が下された4人の青年を救おうとしたものです。「この事件が闇から闇に葬りさられる危険をまぬかれたので、私はいくぶん肩の荷が軽くなった」(本書「まえがき」より)。
本作品は、松川事件という別の冤罪事件を巡り広津和郎氏が裁判批判を繰り広げるなかで、国民が「裁判でなにが起こっているのか」について目を向ける、また一つの大きな機会となりました。「世間の雑音に耳を貸すな」と伝えられる最高裁長官の有名な訓示は、本作品刊行後の5月のことです。
【「復刊」ならではの特徴】
今般の復刊では当時の時代背景をなるべく再現するよう、カラー口絵には(i)正木先生関係資料を収蔵する龍谷大学矯正・保護総合センター正木文庫の協力を得て当時の関係記録を収載するとともに、(ii)1955年刊行後の反響、(iii)1957年第1次最高裁判決時の報道を織り込みました。事件は1968年第3次最高裁判決まで終結することはなかったため、凡例に(iv)刊行後の事件経過一覧を設けて補足資料としています。
本作品の現代的意義について、刑事法・刑事裁判の専門家からご寄稿いただきました。解説の村井敏邦、村山浩昭両先生については解説者略歴をご参照ください。
[目次]
『裁判官』復刊の意義 村井敏邦
裁判官 - 人の命は権力で奪えるものか
ま え が き
1 鉄格子の中から
2 怪奇なる犯罪
3 警察官は何をしたか
4 死の恐怖
5 検事と裁判官
6 弁護士の壁
7 悪意か無知か
8 真犯人と語る
9 犯人製造術
10 女の弱さと強さ
む す び
『裁判官』に学ぶ 村山浩昭
正木ひろし略年譜 家永三郎

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