アファーマティブ・アクションと日本国憲法
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本書は日本国憲法の下でアファーマティブ・アクションを正当化するための法理論の在り方を提示する。
日本の憲法学説は,アメリカ合衆国のAffirmative Actionを正当化するリベラル派の法理論を肯定し,それをコピーする形で日本のアファーマティブ・アクションを説明してきた。しかし,アメリカのリベラル派の平等権理論の拠って立つ基盤は現在揺らいでおり,日本にもその理論を受容する土壌はない。そこで,日本の文脈に即した正当化の可能性を検討する。
日本の学説は,マイノリティが受益者,マジョリティが費用負担者となる構図を前提に,Affirmative Actionを構造的差別の是正策として捉えてきた。しかし,アメリカではマイノリティの中にも受益者と費用負担者が混在し,特定のマイノリティに不利な社会構造を生み出す場合もある。
本書は,こうした現実をふまえ,反従属原理,多様性の価値,ロールモデルの理論など,従来の正当化理論の妥当性を検証する。その上で,実質的平等をめぐる価値観・利害の調整は政策形成機関に委ねられるべきであるとの観点から,裁判所による審査の在り方を示し,実践的問題として国立大学の女子枠や大学教員の女性限定公募の合憲性を考察する。
[目次]
序章 問題の所在と本著の課題
第1章 Affirmative Actionへの関心と沈黙
第2章 アファーマティブ・アクションと司法審査基準
第3章 アファーマティブ・アクションによる社会構造の転換
第4章 反別異と反従属
──平等保護条項を解釈する原理として妥当なものは何か
第5章 アファーマティブ・アクションの憲法的評価
──要請説の問題
第6章 多様性の価値を実現するアファーマティブ・アクションと固定観念
第7章 ロールモデル理論とアファーマティブ・アクション
第8章 国立大学の入学者選抜における女子枠(クォータ制)は憲法違反なのか?
第9章 国立大学の理工系教員の雇用判断におけるアファーマティブ・アクション(「女性限定公募」)の憲法適合性
結章 アファーマティブ・アクション正当化の法理論

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